87才男性の軽トラック、児童に突っ込み8人死傷

横浜市で、87才の男性が運転する軽トラックが登校中の児童の列に突っ込み、1人が死亡し、7人が重軽傷を負う事故が起きました。過失運転致死傷の疑いで逮捕された運転手は、事故前日の朝から帰宅せず、車で徘徊していた可能性があることが報じられています。

ドライバーに認知症の可能性

報道によりますと、男性は「ゴミ捨てのために外出した」と話す一方で、走ったルートを覚えていない、道に迷ったなどの曖昧な説明をしているらしいです。3年前に運転免許更新で認知症の検査を受けた時には問題がありませんでしたたが、警察は、精神鑑定をするための留置を検討しています。

もし今後の検査で認知症だと判定された場合、刑事責任はどのようになるのでしょうか。また今後、認知症のドライバーによる事故を防ぐために、どのような仕組みが必要なのでしょうか。

認知症が重度の場合の刑事責任

では今回、もしドライバーが認知症だった場合にどのような責任が発生するのでしょうか。

まず、自動車の運転に支障をきたすおそれがある病気のうち、政令で規定されている病気の影響によって被害者を死傷させた場合、危険運転致死傷罪に問われます。人にケガを負わせた場合は12年以下の懲役、死亡させてしまった場合は15年以下の懲役となります。

認知症については、政令で規定されていません。よって、危険運転致死傷罪での処罰ではなく、過失運転致死傷罪で処罰されることになります。その場合7年以下の懲役、禁固または100万円以下の罰金に科されます。

ただし、認知症が重度の場合は例外もあり、責任能力がないと判断され、罪に問われない可能性が高くなります。

過去の判例

過去には、重大な事故を起こした同乗者に危険運転致死傷罪の幇助を認定した判例があります。今回の判決も、その判例の延長線上にある判決ともとらえることができるようです。

この判例では、すでに飲酒によって酩酊状態の者が車を運転することを了承して同乗し、危険運転であることを黙認している状態で事故が起きた際、実際には運転をしていない同乗者にも危険運転致死傷罪の幇助の成立を認定しました。

まとめ

今回の判決を不服とし2人の被告がともに控訴をしたため、2016年12月現在も公判中の事案です。ただし、自分が運転をしていなくても危険運転致死傷罪に関わる罪に問われることがあるので、自分が運転する場合でなくても、悲惨な交通事故を引き起こさないよう注意が必要となります。